阿部広太郎さん「あの日、選ばれなかった君へ」

阿部さんと一緒の仕事はとても温かく、熱くて、優しくて、そして希望の先につながる。
あの時のピンチを救ってくれたのは「対話型コピーライター」の阿部さんでした。
長い準備を積み重ねてようやく始動する一大プロジェクト。
その直前のピンチに誰もが頭を抱えていた時、思い浮かんだのが阿部さんでした。
対話を大切にし、一緒に作り上げていくプロセスを大切にする阿部さんに
このピンチを相談してみたい。
相談するだけでなく、
阿部さんにこのお仕事をお願いし、そして一緒にやりたい。
そう強く思った私は、会議の場でものすごくドキドキしながら
「実はこんな方がいるのですが…」と切り出しました。
他のメンバー達が「阿部さん」にとても関心を寄せてくれるのが分かりました。
その場で、私の方から相談することに決まりましたが
気軽に相談できる内容ではありません。
簡単には払拭できないほど大きなマイナスからのスタートです。
複雑で難解な事情もあります。
でも、だからこそ、誠実な阿部さんが必要だと思ったのです。
相当悩んで思考し、思い切って阿部さんにお話してみました。
いつものように丁寧に話を聞いてくれて
そして大変な調整と時間が必要になるけれど
しっかりと受け止めたい、と言ってくれました。
それから半年以上たったある日、
「ぜひ果林さんとご一緒したいです」とメールが届きました。
あのピンチをチャンスに変えるために、対話を中心とした「チームワークで進めたい」と。
ここまで準備をするのに、相当な無理難題と向き合い
相当な調整も必要だったはずです。
そして阿部さんを中心としたこのチームでは
多様な立場の人達が、それぞれ考えを伝え合い
見解の相違も多くある中で、どうしたらお互い納得できて良いものにできるか、ぶれることなく、でもとてもエキサイティングなプロセスでした。

阿部さんの新著『あの日、選ばれなかった君へ』を
読み終えて、こんなことを思い出していました。
「一を創り、十を知り、百を考え、千を伝え、万を動かす」
阿部さんの仕事に対する信条です。

そしてここまで相手に寄り添うことができるのはなんだろう?と
ずっと知りたいと思っていた阿部さんの背景が、この一冊に詰まっています。
そうか、阿部さんのやさしさは「心を通過した」やさしさなんだなぁって。
人に言うのも恥ずかしい出来事や、後悔、悔しさなどもふくめて
「君へ」と過去の自分へのまなざしがとても温かい。
だから赤裸々に紡がれるエピソードが、共感以前に
自分のことのように心に沁み込んでくるのです。

本の中で阿部さんは
「大切なのは過去の自分に対して敬意を持って接することだ。
これまで自分が選んできたことをリスペクトしたいと思う。」とも述べています。
私はつい「自分は人よりも能力が低い」と自分を過小評価してしまい
自分で自分を傷つけてしまうことがよくあるのですが
「それでも自分に対してパワハラしてはいけない。」と断言された一言を見て
心にズシンときました。ちょっと涙が出ました。

阿部さん、私は、あの日思い切って阿部さんに相談した「私の選択」を
思いきりリスペクトしています!
【あの日、選ばれなかった君へ】
https://www.amazon.co.jp/dp/4478117683/