新学期早々・・・

長い春休みが終わり、やっと小学校が始まった。息子も晴れて三年生。クラス替えや、担任の先生も替わるドキドキな一日だろう。
新しい教科書をもらい、どんな顔で帰ってくるかなと楽しみにしていた。
ところが、玄関に入ってきた息子は、気をつけをしたままそろりそろりと歩き、

「首が痛くて曲がらない」

という。ランドセルを下ろすときにも、上半身は直立したままそろりそろり…
「寝違えたかなんかしたんじゃないの?」と彼の頭をぐるりと回したら「いたーい!!」と叫び声をあげて涙をこぼした。

理由を問うと、「通学途中に走り回ってて、何かの衝撃でガクンっとなったとたん、グキッといった」そうだ。へ?それだけ?
しばらく様子を見ていたが、あまりにも痛そうなので整骨院に連れて行ったら

「首が肉離れ」しているそうだ。

首が肉離れ?!首って肉離れするの?!

つい噴出しそうになってしまったが、どうやら頭の重みと、ランドセルの重みで弾みがついたらしい。全治一週間〜二週間。新学期早々…


新学期早々といえば、その日の朝、息子が登校した後に洗面所に行ったら床に髪の毛がごっそりと落ちていた。
一瞬自分のか?と思ったが、よく見ると、はさみでばっさり切り落としたような髪の毛のかたまりなのだ。このやわらかい髪の毛は、どう見ても息子の…
帰宅して、首の肉離れが一段落した頃、問うてみた。


「ねぐせがすごかったから、ピンッとはねてるところを切った」


そういう理由でしたか…(涙)

こともなげに言う息子のその口調に、そういえば……と思い出した。
確か昨年の暮れ、学校から帰宅した息子のトレーナーの袖口が、10センチ以上にわたり右と左にジョキジョキと切り込みが入っていたのだ。しかも、両腕。
何故、こういうことになったのか問うと、


「腕まくりをしたかったけど、袖口がきつかったから切った」
手話をするたびに、袖口がひらひらと、えーいうっとおしい。


……理由はわかりました。でもだからって切ってよいものではないでしょう。
他に解決方法はなかったのか?
それとも、こんなに単純なのが、男の子というものなのだろうか?

彼は今朝も気をつけ状態で登校した。家の近くでは暴風雨注意報まで出ている。風にあおられてひどくならないことを頭の端で思いつつ、平和な一人の時間を堪能している。