音声認識文字変換アプリ

先日、聞こえる人と聞こえない人とのコミュニケーションを繋ぐ懇談の場があった。

音声認識技術を研究する京都大学のの河原教授や
メーカーの開発者として、
「Off Talk」という少人数のコミュニケーションで使える音声認識による文字変換アプリ開発に関わる3名、
そして聴覚障害のあるメンバー6名との意見交換会


その場でケータイとモニターを繋ぎ、「Off Talk」の実演をした。

「みなさんこんにちは。今日は良い天気ですね」
「私の名前は○○です」


などとケータイに話したことが文字変換されてモニターに表示される。
認識率の正確さにメンバー一同びっくり。
普段よく使う常套句などは割と正確に認識されるのだろう。
そこで今度は、メンバー全員、話せる人はどんどん話してみた。

文字変換されたものが次々とスクリーンに表示されていく。
かなりの認識率だが、ちょっとした誤変換が面白いことこの上ない。


笑いが止まらない私は、そのまんま
「笑いが止まらない」と話してみた。
直後に表示されたのは


―誰も止めないで!―
暴走気味の音声認識文字変換。


今回試したのは、「Off Taik」というアプリで
Iphoneipadでダウンロードできる。
開発者曰く、アップルでは10名まで繋げることができるとのことだが
試してみると、五人以上となると通信が怪しくなってきた。
Wi-Fiでもっと可能性が広がるのだろうか。

数名で同時にできれば、聞こえる人が中心に進められる会議ではもちろん
呑み会などの場でも自由に使えるようになったらいいなという意見がどんどん出てきた。
一つのipadをみんなで囲みながら会話を覗くというのも、楽しいコミュニケーション方法だろう。


私のケータイはAndroidなので使えないが、「音声検索」を使って試してみた。
私は聞こえなくなってもう、20年にもなるから発音も怪しくなっている。
人は自分の声を自分の耳で聞きながら、無意識に発音を調整している。
だから聞こえなくなれば当然発音もあいまいになるのは仕方のないことだという。


まずは新聞の見出しから。

「ロンドンの風リオまで届け」

〜〜音声認識中〜〜



―ロンドンの陰に生まれただけ―
一気に哀愁漂うヒューマンドラマ風になってしまった。


続いて今日の夕方のニュースのタイトル。
「雨にも警戒!現場報告」

〜〜音声認識中〜〜



―他人の携帯電波報告―

いやそんな報告いらないですから。
再トライ!



―他人の携帯銀座報告―

そんな夜の報告いらない。しかも他人だし。
再トライ!



―雨にも携帯現場監督―

惜しい!?
雨でも携帯は必須です。現場監督ならなおさら!
やけになって再トライ。
「雨にも警戒!現場報告」



―雨にも携帯 現場風俗―
なぜこうなる?笑



ムキになって繰り返していたら息子が出てきた。
「独り言がうるさいよ!」
そりゃそうだ。
携帯に向かってひたすら「雨にも警戒!現場報告!」と繰り返しているのだから。
せっかくなので息子にもやってもらう。



―雨にも警戒 現場報告―
おお!一発変換。
さすが聞こえる人は違うね!
なおさら悔しい私は、何度もトライしてみる。
挙句の果てに出てきたのがこれ。



―雨にもゲイ体験談報告―


おそるべし音声認識文字変換。
完敗!