首からぶら下げるやつ。

仕事でいろんな省庁へ出向くことがある。
先日もいつものように受付で入館登録を済ませ、入館用ICタグのついたカードをもらい
駅の改札のようなゲートに、ピッとあてて入館。
カードを首にぶら下げてトイレに入った。

身だしなみを確認しようと鏡に顔を近づけて、メイクを直し、洗面台から離れたその時
足元に水滴がボタボタと落ちた。


???


首からぶら下げた入館用のカードがびちょびちょになっているのだ。



どうやら、鏡に近づいた時にカードが蛇口に近づき、センサーに反応してずっと水を浴びていたらしい。
慌ててハンカチでふき、更にタオルドライヤーにあてて乾かした。
普段から首にぶら下げるという習慣がないからつい。
どうか壊れていませんように。
タオルドライヤーにあてすぎたのか、今度はカードが熱い。


仕事が終わり、出口のゲートで例のカードをかざした。
ウンともスンとも言わぬ。
ヤバい!
もう一回かざしてみるが反応なし。
………。

警備員さんにトイレでのくだりを説明し、謝罪し、無事脱出。
説明するのもこっ恥ずかしい。



水に濡れるだけで壊れちゃうのね。
友人に話し、もし水の音が聞こえていればすぐに気づけたし
壊れることもなかったかもしれない!
と豪語したら
「聞こえないことは関係ないでしょー」と一蹴された。
首からぶら下げていることに慣れている会社員の皆さん、
あたりまえのように胸ポケットにいれたり、手で押さえたりと、ごく自然にあのカードを守っているというのだ。
身分証明証のようなものだもの、それはまるで身体の一部なのだろう。
咳をするときに口を手で押さえたり、
爪楊枝を使うときに手で口を隠したり、
お酌をするときにそっと手を添えたり、
そんな感覚なのかもしれない。