障害のある子どもの性的リスク

「子どもの買春・ポルノ被害、3人に1人が障害ある子」
衝撃的な見出しは5月末の新聞記事。
http://www.asahi.com/articles/ASJ5V74KVJ5VUTIL051.html


児童相談所が把握した買春やポルノの被害者の3人に1人が知的障害や発達障害、その境界域にある子だとか。
また、被害者の2割が未就学時の子どもと小学生。
障害のある子どもの性的リスクが高く、被害が低年齢層に広がっているって本当にショックです。


私が障害者政策委員会の委員となってつくづく感じたのは
これまでの政策は「女性や母親や子どもの視点が抜け落ちている」ということです。
だから聴覚障害の視点の他、障害のある女性や母親、子どもの視点も
大切にしながら関わってきました。(関連リンクは最後に)
委員会の中でこの課題を説明するときには
DPI女性障害者ネットワークが2011年に行った、
障害のある女性の「複合差別実態調査」を参考にしました。
http://dwnj.chobi.net/siryou.html#houkoku
この報告書では、回答者87名のうち35%が性的被害を経験しており、
これは決して少なくない数字です。


今回の児童相談所が行った調査は初めてのことで
数値として出たインパクトは大きいです。
この課題から目を逸らすことなく、
子どもたちを守れるように
私たちは考えていかなくてはならないと思います。


NHKEテレの「ハートネット」では7月の特集として
「障害のある女性」を取り上げるそうです。
女性であり、障害があるがために生きにくさを感じた体験談や意見を
募集しているので、この機会にぜひ投稿してみては。
http://www2.nhk.or.jp/heart-net/voice/bbs/messagelist.html


以下朝日新聞記事全文(2016/05/30 朝日新聞
児童相談所が把握した子ども買春や子どもポルノの被害者の
3人に1人が知的障害や発達障害などの何らかの障害があるか、
その境界域とみられることが厚生労働省の調査でわかった。
被害者の2割は未就学の子どもと小学生が占めた。
障害を抱える子どもたちへの性的搾取のリスクが高く、
被害が低年齢者に広がっていることが浮き彫りになった。

児相がかかわる子どもたちの性的搾取の被害について調べたのは初めて。

調査は、厚労省の「児童相談所における児童買春・児童ポルノ
被害児童への対応状況に関する調査研究事業研究会」(委員長=湯沢直美・立教大教授)が
2月、全国の児童福祉司2934人を対象に実施。
昨年4〜9月に対応したケースのうち買春やポルノの
被害が含まれているものを集計した。
回収率は78・3%。

調査によると、被害者は計266人。
9割超が女の子だった。
年齢は13〜15歳が43・6%、
16〜18歳が33・5%を占めたが、
6〜12歳が18%、
1〜5歳も6人いた。
買春が59%、ポルノが31%、買春とポルノの複合被害が10%だった。
編集委員・大久保真紀)


以下は障害者政策委員会等での関連するブログ記事

<2015-06-25 子を産むに値する人とそうでない人という区別>
http://d.hatena.ne.jp/karinmatasumori/20150625

<2015-07-04 第22回障害者政策委員会>
http://d.hatena.ne.jp/karinmatasumori/20150704

<2015-08-01 障害者政策委員会23回の報告、次回のお知らせ>
http://d.hatena.ne.jp/karinmatasumori/20150801

<2015-08-14 第24回障害者政策委員会>
http://d.hatena.ne.jp/karinmatasumori/20150814