「聞こえない私」として人生を再構築した基盤、筑波技術大学での講演

久しぶりの母校。
デザイン学科の教室に入った瞬間のにおいが変わらず
懐かしくてそしてうれしい。

総合デザイン学科の学生を対象としたフリーディスカッション
そして、広く学生からつくば市民までを対象としたランチトークの二本立て。

聴力を失い、コミュニケーション手段を失い
希望進学先から受け入れ拒否をされた17歳。
そんな時に、日本で唯一聴覚・視覚障害者が学ぶための国立大学があることを知り
「聞こえない私」としての人生がスタートしたのでした。

「手話」を知り、コミュニケーションに興味を持ち
年に4回の極貧海外旅行(拾ったパン食べたり)から段ボール生活まで
やりたいことなんでもやった大学生活。

人生で大切なことはすべて筑波技術短期大学で学んだと言い切ることができます。
講演では、大学で学んだことを5つにしぼりました。

1. 聴覚障害について
多様なコミュニケーション手段、聴覚障害について医学的、心理的な面から学び
自分の聴力を把握し、自分の障害を自分のことばで伝える力

2. 聞こえないからこそ気付ける課題
世の中のバリアに気づき、聞こえないことをプラスにとらえる発想力

3. 課題を楽しく解決する提案力
課題を訴えるだけでなく、解決するプロセスを一緒に楽しんでいく提案

4. 分かりやすく伝える力
外見で分からない聴覚障害を視覚的に伝えるデザインや様々な方法

5.周囲を巻き込む力
人とのつながり方や、コミュニケーションをあきらめるのではなく
楽しくデザインしていく力

 

どれもが今の私の仕事にすべてつながっていることであり
筑波技術短期大学だからこそ学べたことです。
そんな感謝の気持ちを込めての母校での講演。
機会を作ってくださった大杉先生、どうもありがとうございました。
そして在学中からお世話になっていた石原学長とも久しぶりの再会…
やっぱりいいなぁ母校って。

「聞こえない私」として人生を再構築できた基盤がここに。

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