だってこれチンならないんだよ!

夏休み中、週に二日ほど息子は学童保育へいっている。
休み中はお弁当持参なので、朝の台所は時間との勝負。
おにぎりを握りながら、朝食の準備。目玉焼きを焼きつつ、パンをトースターに入れた。
お弁当におかずをつめていると、なんともいえない香ばしい匂い。
「あ!パン!!ソラ、パン出して!」
あわててトースターにかけよる息子が取り出したのは、真っ黒に焦げすぎた食パン。
もう一枚焼き直しだ。
「ソラは聞こえるんだから気づいたら出してよー」
忙しさもあって思わず強い口調で言ってしまう私。
すると息子はこう言った。

「だってこれ、チンならないんだよ〜!」

え?!そうなの?!
だって、立派な家電製品でしょ。
電子レンジは調理が終わると、音で知らせてくれる。(私には聞こえないけど!)
冷蔵庫だって、食器洗い機だって、炊飯器だって、やかんの沸騰だって、キッチンタイマーだって、家電製品の多くは音で知らせるようになっている。
だから当然このトースターも音がすると思っていたのだ。
焼き終わり、音が鳴っても気づかずに入れっぱなしにしていたから余熱で焦げたと思ったのだ。
ところがこのトースターは「チンならないんだ」という。
Gマーク受賞作なのに!(関係ないのか?!)
音が出ているか出ていないかは、見て判断できない。

息子を送り出したあと、
音が出ない家電製品もあるんだーと、しみじみと一息をついた私。