夏休み謳歌の息子と考える母

気がつけば八月。仕事やら家事やらに追われあっという間に八月である。
「夏休み」を満喫している息子がうらやましい。

夏休みに入ってからというもの、デイキャンプ九十九里浜でのキッズサーフィン講習会、学校の水泳教室、一泊二日の子どもだけのキャンプ、花火大会とイベントが目白押しだった。

子どもだけのキャンプは、市内のNPOが主催している。昨年末に参加し、前代未聞のガイコツ土産を拾ってきたお正月体験アウトドア教室と同様のイベントだ。
今回もまた、K君とともに参加。

クラフト教室、カレー作り、肝試しや、流しそうめんと盛りだくさんの内容。
前夜、パジャマはこれ、翌日の着替えはこれ、タオルはここ。と一緒に荷造りをした。

前回同様、いろんな経験をしてまた少し成長してくるかな〜と、二日後K君のママと解散場所まで迎えに行く。

二人とも真っ黒のご帰還である。日焼けのせいなのか、泥だらけなのか、上から下まで真っ黒だ。
しかも着替えを持たせたはずなのに、出発時と同じ服装。
外見は真っ黒だったが、リュックの中はキレイなままであった。母涙


キャンプの夜中、トイレに行く途中蝉の幼虫が羽化している場面に遭遇したという。
透明の薄緑色のそれは、とても美しく、しばらく眺めていたそうだ。
翌朝、見に行ってみると抜け殻から出て小さな蝉となっていた。こんな貴重なシーンって簡単にめぐり合えるものではない。今回一番印象に残った出来事だったようだ。
帰宅してからは、昆虫図鑑ばかり眺めている。キャンプで見た昆虫を調べたりしているのだという。

その翌朝。息子は目覚めるなり興奮しながら真っ先に私のところへ来て「ママこれ知ってる?」と、突然イラストを書き始めた。
足の長い蜘蛛のような生物のイラスト。そうして早朝から何かにとり憑かれたかのような空様の未確認昆虫講座が始まった。四つんばいになり、廊下をカサカサと走り回って未確認昆虫の動き方の実践だ。学校の水泳教室の時間に遅れるってば!


昔と比べると、子どもたちの遊びに必要な空間や時間が減ってきている。
自然の中で冒険遊びをする機会も減ってきている。
「リスクに慣れている子どもは危険を回避する能力も発達する」という。小さな頃から自然の中での木登りや、山遊び、川遊びなどを通して、落ちたり転んだり、ケガをしたり、そんな直接体験を重ねることで、日常の危険を自分で判断できるようになるのだと思う。
そんな貴重な機会を作ってくれる、市内のNPO団体は本当にありがたい。しかも驚くほど安いのだ。

子どもの遊び環境が昔と変わってきていることは仕方ないが、大人の私たちにできることは何なのか、改めて考えさせられる今日この頃。
そんな親の心も知らずに、今日も真っ黒になって帰って来た。
彼の夏休みの目標を思い出した。


「元気一杯遊んで楽しい思い出を作る」