桑沢デザイン卒展で、聞こえない人もわかる電子レンジ!

「電子レンジの中にモノを入れっぱなしにしたまま忘れてしまう」



食事を終えた後に気づいた時のむなしさ。
誰にでも思いあたる経験があるのではないでしょうか。
それでも、聞こえる人の場合は、終わった時の「ピッピッピ」などの終了音で気づくことができますね。
聞こえないと気づかないんです!
10年以上も前に「聞こえない人の生活の不便さ調査」をおこなったことがあります。
その結果、電子レンジは第四位。
かなりの人が不便さを感じている家電製品ということなのですね。
企業での講演や大学での講義のたびに紹介しているエピソードですが、この不便さは昔も今も変わりません。
相変わらず電子レンジといえば、終了を音で知らせるのみ。
調理中はランプがついていて、終わると消えますがずっと見続けているわけではありません。
ですから、これを解決する新しい電子レンジの発想を宿題として出すこともあります。


・終わったことをケータイで振動で知らせてくれる
・ブレスレットタイプの振動ユニットで知らせてくれる
・マグネットタイプの小型ランプを好きなところに貼り、光で知らせてくれる
・電子レンジのドアが自動的にパカッとあく。笑
・匂いを二倍三倍にして教えてくれる


などなど面白いアイデアがでてきます。



昨年の秋、非常勤講師として教えている専門学校桑沢デザイン研究所の生徒から連絡がきました。
「先生の講義を受けて、聴覚障害者にも分かる電子レンジを卒業研究のテーマにしたい!」
というのです。
そんな彼女の名前は奇しくも「かりんちゃん」
お互いに「カリン先生」「かりんちゃん」と呼び合う二人を見て
その場にいた私の専属手話通訳者のりりさん爆笑。



彼女のアイデアは、
「見せる!回る!光る!」という楽しい電子レンジ!
これまでの電子レンジ像を覆す円形型。
どこから見ても美しく、楽しく、作動の様子が見てわかる。
コードレスなので、アイランドキッチンや
食卓にだって置けそう!
これまでにない斬新な発想。


ちょうど今、桑沢デザイン研究所にて卒業制作展示会が開かれています。
http://www.kds.ac.jp/sotsuten/2013/
2月22日〜24日まで
かりんちゃんの作品『NOTICEA』(気づくという英語+親しみやすさのA)は、
プロダクトデザインコース三階の金子ゼミのスペースで展示してあります。
モックアップもいい雰囲気!
画期的な電子レンジ案、興味のある方は是非見に行ってみてください。
私は昨日行き、ファッションショーまで楽しんできました。
若い感性に溢れた作品の数々、インスピレーションたっぷりの卒展です。