ミッションインポッシブルなケーコ劇場

雪が続いてた新潟。
朝起きた母ケーコ「道路がツルツルだからタクシーで行こう」と
手では頭をなでながら「ツルツル✨」を表現。
言っていることはまともですが表現がやっぱり可笑しい。

昨年夏ごろから父が入退院を繰り返し
居酒屋舟宿🏮営業のための仕入れ、
下ごしらえ、準備や調理、事務的な作業も
母がすることが増えました。
「今日は銀行に行きたいからついてきて」と
何と初めてのATM操作。
並んでいるときから汗びっしょりな母ケーコに
「堂々としていれば大丈夫」と声をかけるも
機械から音が出るだけでドキドキの様子。

ひとつひとつの操作を一緒にこなし、
無事に振り込みを終えると更に大汗、どうみても不審者。
初めてのおつかいならぬ
「初めてのATM」ミッションクリア。
その後も、初めての場所、初めての手続き、初めてのコンビニ弁当!と
クリアする度に父に報告して褒められる母。
初めてづくしのミッションインポッシブルな日々は新鮮で毎日がケーコ劇場。

父が入院中、母がひとりのとき、
少しでも気が紛れればと
毛糸とかぎ針を買ってきた9月。
私も母も、40年ぶりくらいの編み物。
昔取った杵柄とやらで、母はすぐに勘を取りもどし
「コタツカバーでも作ろうかな」と手元にあった毛糸で黙々と編み始める。
その後、私が自宅に帰り
一週間後にまた新潟に戻ったら、なんと2メートル四方のでっかいコタツカバーが完成していた。
しかも長座布団のカバーまで。
これ全部かぎ針で??
一週間で??
おかんスゴイ!!
凝り性の母、
こんなところは私にそっくり。
いや私が母に似ているのか。
とはいえ、手元にあったいろんな色の毛糸をつないでいるので
カラフルなことこの上なく、ザ・ケーコ!といった仕上がり。
退院してきた父も笑っていた。
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その後、父がいろんな人から頂いたお守りを大事にしたい
今度はお守り袋を編み始めた母。
奇麗な水色の毛糸だったのですが
たまたまその日母が来ていたセーターが
同じような水色。
懸命に編んでいる母の姿は、どうみても
自分のセーターをほどいて編んでいる人のようで笑いが止まらない。
やっぱりケーコ劇場。
出来上がったお守り袋にお守りをいれ父はいつも持ち歩いている。
最強のお守り。
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私は私で小さめのバッグを編み始めた。
コロンとした丸い形も可愛らしく、いい感じの出来上がり。
これもってさあ買い物へ、と
財布をスマホを入れたとたん、
バッグの底が重みでびよーんと三倍くらい伸び
一瞬にしてエコバッグに変身。
イメージとちがう。
そんな私を笑いつつ、母ケーコはかぎ針片手に次なる大連作へと手を付け始めた。

凝り性の母ケーコと更なる私の迷走、続く。