ミッドナイト・イン・パリ

karinmatasumori2012-06-21

久しぶりに心躍る映画を観た。
ウディ・アレン監督の
ミッドナイト・イン・パリ


パリのあちこちの風景が、絵はがきのように写し出される。
エッフエル塔、セーヌ川、モンマルトルの丘、オペラ座凱旋門シャンゼリゼルーブル美術館
そんなパリを舞台に、主人公がひょんなことから1920年代、1890年代のパリへとタイムスリップする。
時空を超えたファンタジー風のラブコメだが、印象派、ベルエポックの時代の著名な人物が次から次へと登場するのが面白い。

フィッツジェラルドヘミングウェイロートレック、ダリにピカソ
それぞれの顔や話し方、イメージがぴったりという絶妙なキャスティング。
ダリのイメージなんて、ヒゲがピンと伸びた教科書で見た写真そのまんま、性格も風変わりで爆笑もの。
それぞれの時代の街並みは、うっとりする美しさ。
ウディアレンらしく、ロマンチックでおしゃれだけど、皮肉もたっぷり。遊び心満載。
観終わった後の幸せ気分はスキップをしたくなるほど。
軽妙洒脱、という言葉がぴったりな映画だった。

ラストの小雨が降るパリの風景は思わず息をのむ。
美しいものが好きな人には超おススメ!



パリにはこれまで三回ほど行ったが、初めて訪れたのは大学の卒業旅行。
クラスメイト全員で行ったのだが、何しろ学生。
お金がない貧乏旅行。
とてもじゃないがフランス料理のフルコースなど手が出ず、お腹をすかせてパリを歩き回っていた。
夕方、ホテルに戻る途中、カフェの前にパンがパンパンに入ったでっかい袋が捨てられていた。
サンドイッチ用のパンの耳だ。
しかも新しいしキレイ。(に見えた)
お腹を空かせた私たちは全員無言でうなずき、パンパンの袋を一人のコートのお腹に突っ込んだ。
ちょっと太ってお腹のでた学生という感じで見た目の違和感はない。(かなり不自然だったかも)
その後、スーパーでバターやジャム、チーズにハムなどを買い込み、パン係りは腹を抱えてホテルに戻った。


細長い耳ばかりだが、時々食パンの側面も入っていたりして大喜び。
キュウリやレタスの切れ端が紛れ込んでいるのを発見しては歓喜し、安物のワインとパンの耳での晩餐会。
余ったパンの耳を全員で分けて、翌日の昼食にと持ち歩いた。


ミッドナイト・イン・パリを観て、「貧乏バンザイ」と盛り上がっていた古き良き時代を思いだした。
よくお腹を壊さなかったものだ。若いって素晴らしい!